2016年7月17日日曜日

与那国島(5)

3/29

丸一日使えるのはこの日が最後だったので、気合を入れて車にエンジンをかけました。とりあえず未だにろくな写真が撮れていないヤツガシラとオオチドリをなんとかしなければ。若干焦りも感じつつも、まずは昨日外した鳥たちを再チェックするために田んぼへ。荒れ地に目をやると、数羽のアマサギがいたのでそろりと車を近づけて撮影。普段なかなか見る機会がない鳥なので、お目当の鳥がいなかったのになんだか得をした気分でした。優雅な鳥だこと!

 荒地を数羽でゆっくり歩く。バッタを食べていたようです / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

こちらは別個体。アマサギはほとんど真っ白な個体から、このように色がかなり出た個体まで様々でした
 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

そして本日の目標を抑えるべく東崎へ。この前まで3羽いたヤツガシラは1羽だけになっていました。牧場まで行くと、顔見知りとなったバーダーの方が。窓越しに情報交換しましたが特にめぼしいものはいないとのこと。ため池にシマアジがいるということだけ教えてもらいました。普段ならわりと珍しいシマアジも、与那国では「シマアジか・・・まぁあとでいいか」くらいの存在。全く、贅沢な話です。

というわけで1羽だけになったヤツガシラに狙いを定めることに。初日からいた個体はなかなか警戒心が強く、3羽になってもその個体が逃げるとみんな散ってしまう始末。しかし幸運にも残ったこの日の個体は別の子なのか警戒心が薄めです。これはいける!と思い超徐行で車を移動させていると、目の前をアカショウビンが横切って行きました。飛ぶ姿を一瞬しか見れなかったものの、あのま真っ赤な弾丸は見間違えるはずがありません。残念ながら林にそのままダイブしてしまったのでしっかり姿を見ることはできませんでしたが、予想外の鳥に出会えてちょっと興奮。

 欲を言えば、冠羽を開いているシーンを撮りたかった! / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

 同じ個体を、別カットで。主にアスファルトの隙間に潜むゴキブリを食べていたようです / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

これは別の日に同じ場所で撮ったもの。もちろん、合成ではありません。奄美で散々駆け回ってヤツガシラを探していたのがアホみたいに思えてきます
 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

無事にヤツガシラを抑え、空港の食堂で沖縄そばを食べてから比川を回り、朝聞いたシマアジを確認し、ぐるっと再び東崎へ。オオチドリが降りていないか双眼鏡でチェックすると、2羽のツバメチドリが!与那国ではそこまで珍しい鳥ではありませんが、止まっているのをみるのはこの時が初めて。半ば興奮しながらそっと車から降りてカメラを構えて匍匐前身を始めた矢先、運悪く観光客の家族が!!「お願いだから、それ以上行かないでくれ!」そんことを叫べるはずもなく、小さな男の子に驚いてツバメチドリははるか西へ去って行きました。なんてこった・・・

 最後まで比川の水田で楽しませてくれたアカアシシギ。白いアイリングがキュートです / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

 海をバックに、シマアカモズ。与那国らしい雰囲気が出たでしょうか / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

 逆光&電線止まりの亜種タイワンヒヨドリ。次また来る機会があったら、ちゃんとした写真が撮りたいですね。嘴がやや太めなのが特徴 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

 シマアジを見ていたらひょっこり出てきたセッカ。そのままさえずりを披露してくれました / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

かろうじて撮れたツバメチドリ。余談ですが、自分が帰った後はわりとよく見られたようです。残念! 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

東崎での出来事を引きずりながら、祖納を見て回ってみましたが、タカブシギ、コチドリ、オジロトウネンと代わり映えしないメンツのみ。
時計に目をやり、そういえば夕日をまだ一度も見に行ってなかった、と慌てて西崎へ。日本で一番遅い日の入りを、寒さに凍えながら(風が強かった)見送りました。
明日はツバメチドリとオオチドリをリベンジしなければ。


つづく

2016年7月4日月曜日

与那国島(4)

3/28

昨日日没でタイムオーバーとなったクロウタドリを抑えるため、朝食前にこっそり宿を抜け出しました。
予想に反してポイントには誰もおらず、しめしめと車を止め、窓を開けてスタンバイ。ここは堆肥置き場になっているので虫が多いのか、すぐに数羽のハクセキレイがやってきました。それもほとんどがホオジロハクセキレイ。こんな贅沢して良いのだろうか!と窓のすぐ下まで来る彼らを撮影していると、堆肥の山の陰に動く黒い影。待ってました!クロウタドリ。今日も2羽いるようで、相変わらずシャイですがじっくり撮らせてくれました。やったー!

 話では雌雄と聞いていましたが、褐色の個体はオスの若鳥のようです。わかりづらいですが手前のアカハラにくらべかなり大きいことがわかります / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

 オス成鳥は木にも止まってくれました / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

こちらが若鳥 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

クロウタドリが隠れている間は、手前に降りてくるホオハクやツメナガセキレイ、ギンムクドリなどに相手になってもらいました。中でもギンムクドリは20羽ほどの群れですぐ近くに降りてきて、大サービス。正直奄美であんなに苦労したのが馬鹿みたい。ここで初めて気づいたのですが、ギンムクドリの口の中って黒いんですね。ムクドリにはない深い光沢や流れるような羽毛にうっとりしてしまいました。

ギンムクドリは堆肥をほじくってました / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

さらに、ホオハクの中に気になる1羽が。過眼線がないのは周りの個体と同じですがどうも背中が一様に薄いグレー。「これはシベリアハクセキレイではないか?」手持ちの図鑑には背中のグレーは腰まできれいに続くとあるのでとにかく後ろを向いた時にシャッターを切りました。その場では断定できませんでしたが、ツイッターで知識人の皆様にシベリアで良さげとの意見をいただいたので亜種シベリアハクセキレイということにしました。

背から腰にかけて一様に薄いグレーの亜種シベリアハクセキレイ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

こちらは多数派の亜種ホオジロハクセキレイ。結局滞在中に普通のハクセキレイは一回にしか見かけませんでした
 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

1羽だけ混じっていたツメナガセキレイ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

お昼ご飯を食べて車内で昼寝をしていると、二日目に名刺交換した方からサンカノゴイの情報が!あわてて駆けつけましたがすでに草の中に隠れた後。1時間ほど待機してみましたが結局姿を現さず・・・。

マミジロタヒバリ。タヒバリというか、ヒバリに似ている気がしました / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

荒れ地にいたノビタキ。珍しい種かと一瞬疑ってしまいました / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)


セッカの止まり木を乗っ取ったシロガシラ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

夕方、比川の集落をうろついていると、桑の実を食べるヒヨドリとコムクドリを見つけました。亜種タイワンヒヨドリは国内では与那国でしか見られないので写真を撮ろうとすると、コムクが飛び立った先にカラムクドリが!いるという情報は聞いてましたがこの時が初見となりました。虹彩が白くでぎょろっとした目がかわいいですね。

右の2羽はコムクドリ。桑の実で顔が赤く染まっていますね / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

帰り際に再び出ていることを祈ってサンカノゴイがいたという水田へ。やはり姿を拝むことはできませんでしたが、オオムシクイと「ポァ~」というオオクイナの声をキャッチ。


「何が出てもおかしくない!」というドキドキ感を大いに感じることができた一日でした。

つづく